氷光 / Ice Light

「氷の写真と音楽」というコンセプトの演奏会のための新作ということで、まずは氷について考える、ということから作曲を始めました。氷について考えるなんて普段あまりしないことですが、いざ氷について思いを巡らしてみると、意外なほどいろんな氷の表情が思い出されるものです。なかでも、光を反射したり透過させたりする氷のイメージが、私には美しく、好ましいものとして手元に残るようになったので、その感触のようなものを音で描いてみた、というのがこの「氷光」です。
この曲は、低音弦の何本かが「サスティーン・ペダル」で解放されたままになる仕掛けによって、ちょっと不思議な残響を聴くことができます。