作曲家・壺井一歩
Composer / Ippo Tsuboi
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コバルト・エイジ / Cobalt Age

[編成] マンドリンオーケストラ(Mandolin Orchestra)
[演奏時間] 12分
[作曲年] 2013.8.5
[初演] 2013.11.8 京都府長岡京記念文化会館(長岡京市)
   《京都教育大学マンドリンクラブ 第54回定期演奏会》
   京都教育大学マンドリンクラブ
[委嘱・献呈] 京都教育大学マンドリンクラブ

「コバルト山地の氷霧のなかで/あやしい朝の火が燃えてゐます/毛無森のきり跡あたりの見当です/たしかにせいしんてきの白い火が/水より強くどしどしどしどし燃えてゐます」(宮沢賢治「コバルト山地」)

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「コバルト60は1950年代の大気圏内核実験で降った死の灰の成分で、強い放射能がありますが、普通のコバルトにはまったく放射能はありません。」(iPhoneアプリ「元素図鑑」)

「放射性のコバルト60はγ線の線源として、がんの治療や工業計測につかわれている。」(岩波書店編集部「岩波科学百科」)

「コバルト鋼は最も硬く最も強靭な合金のひとつなので、ドリルやフライス盤の刃としてよく見かけます。」(iPhoneアプリ「元素図鑑」)

「ガラス小物が好きな人なら、深いブルーのコバルトガラスをご存知でしょう。このガラスには、瓶から絶縁体までさまざまな用途があります。コバルトガラスの青は、ガラスに添加された微量のコバルト化合物によるものです。」(iPhoneアプリ「元素図鑑」)

「ビタミンB12(コバラミン,Chl)は、構造中に無機質のコバルト(Co)原子をもち、選択的吸収不良により死に至る悪性貧血を起こす。ビタミンのなかで特殊な存在である。」(五十嵐脩、江指隆年「ビタミン・ミネラルの科学」)

「じつはコバルトが発する色は青色だけではありません。例えばコバルトの塩化物とアンモニアの錯体(または錯塩)は黄色、紫、緑、すみれ色、赤などさまざまな色を示します。」(山本喜一「元素のすべてがわかる本」)

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「このごろは雨が陰気に降りつづいて、何をするにも、もの憂くて、きょうはお座敷の縁側に籐椅子を持ち出し、ことしの春にいちど編みかけてそのままにしていたセエタを、また編みつづけてみる気になったのである。淡い牡丹色のぼやけたような毛糸で、私はそれに、コバルトブルウの糸を足して、セエタにするつもりなのだ。」(太宰治「斜陽」)

[試聴]
[出版] RaKuDa PUBLISHING Plus+
[録音]

[備考]