ただそれだけの虹 / Beautiful Rainbow

それは偽物である。さびしいさびしい平原の中空に架かっている巨大なそれはまぼろし。──その残酷さに君は死にたくなってくることはないか？
それは手紙である。そんなものでいったいどれだけの真実を伝えられるというのだ。──もちろん行間を読むのも君の自由には違いないが、だまされてはいけない。
それは印刷機？よくわからないね。

墓地を行く。かつては七色だった彼らがモノクロの死骸となって散乱している墓地を、私は襟を立てて静かに、ゆっくりゆっくりと横切って行く。黙々と歩く。

明日。
明日はどっちにある？それは確実に明日へつながっているのか？

ふいに開けたところへ進み出る。
明け方も近い。
また中空に奴が架かっている。
もしかしたらいま──肯定いたように見えた。

ただそれだけの虹。