時間の花束
Time Flowers
作品は大まかにいってA+B+C+A'+B'(練習番号で「冒頭、B、D、G、I」)の構成でなっています。それぞれに音楽の性格が異なるのでわかりやすいでしょう。変化をきちっと出すことが重要です。
演奏上の注意としては、A の部分の2/4+3/16 という拍子を正確にとることにつきます。結果として出てくる音楽は「16分音符ひとつ少ない3拍子」であってほしいのですが、アバウトに3拍子として弾こうとすると失敗します。特に1st、3rd の人は3拍目の16分音符3つをきちんと数えて下さい。
最初のA+B と再現のA'+B' では色合いを変える必要があります。メランコリーの歌であるA も再現のA' では憂いの中にわずかな意志を感じさせるようになるし、B も初めはかすかに切れた雲のすき間から光が射す感じですが再現のB' ではずっと明るく開放的になります。ダイナミクスの変化、テンポ表示(冒頭と練習番号G は違います!)がここの音楽を作る大きなヒントになっています。
中間部C に現れるコラール(練習番号E)はよく響かせて下さい。鐘のように。ここの部分の前後にあるtam. の和音は最低音が違っていますが、このコラールの敬虔な響きがそれ以降の音楽を変質させているのです。
作品はLeo Brouwer 70歳の誕生日に献呈されています。