音楽物語「銀河鉄道の夜」第1部
[編成] ソプラノ、マンドリンオーケストラ(Soprano and Mandolin Orchestra)
[演奏時間] 23分
[作曲年] 2018.8.30
[初演] 2019.2.2 横浜みなとみらいホール 小ホール
   マンドリンのためのソネット 全曲演奏会
   鷹羽弘晃(指揮) 萩原雅子(ソプラノ) ソネットプロジェクト マンドリンオーケストラ
[委嘱] マンドリンのためのソネットプロジェクト

音楽物語「銀河鉄道の夜」第1部
The Night of the Milky WayTrain Part 1

宮沢賢治の代表作「銀河鉄道の夜」の世界を音楽で旅する、マンドリンオーケストラのための作品。第1部では、物語の序盤の、主人公ジョバンニが銀河鉄道に乗る直前までのシーンを描かれている。原作の章立てのタイトルがそのまま5つの楽章のタイトルとして使われており、第5曲にはソプラノが登場する。5つの楽章を物語の要約でご紹介する。

1. 午后の授業
大きな星図の白い帯のところを指して、先生は「これは何か」と生徒たちに問いかける。当てられたジョバンニはそれが星だとわかっているにもかかわらず、臆して答えることができない。次に先生はカムパネルラに答えさせようとするが、カムパネルラもまた答えない。困った先生は自ら銀河の説明を始める。……ジョバンニは、かつてカムパネルラの家に遊びに行ったとき、博士であるカムパネルラのお父さんの書斎から持ってきた本にあった美しい銀河の写真を、カムパネルラと二人でいつまでも眺めたことを思い出す。家計を支えるために朝夕に仕事をしているジョバンニは近ごろは覇気がなく、カムパネルラがさっき先生の質問に答えなかったのはそんな自分を気の毒がってのことだとジョバンニは思い、つらくなる。

2. 活版所
ジョバンニは学校が終わると活版所へ仕事に行く。活版所の中は昼でも電燈がつき、たくさんの輪転器がばたばたとまわり、きれで頭をしばったりラムプシェードをかけたりした人たちがたくさん働いている。ジョバンニはその日与えられた分の活字を拾い終え、銀貨1枚を得た。

3. 家
パン屋でパンと角砂糖を買って家に帰ったジョバンニ。家では母が病気で寝ている。北の海に漁に出ている(ことになっている)父はいつ帰ってくるだろうかと、ジョバンニは母に話す。そして、父の「ラッコの上着」の約束をクラスメイトにからかわれていること、けれどカムパネルラはその輪には入らないこと、かつて父に連れられてカムパネルラの家に遊びに行った(ジョバンニの父親とカムパネルラの父親は子供のころからの友人)ときのことを懐かしく話す。配達の牛乳が届いていなかったので、それを取りに行くついでに銀河のお祭りを見に家を出るジョバンニ。

4. ケンタウルス祭の夜
街は星祭りのためにきれいに飾られている。星めぐりの口笛を吹いたり、「ケンタウルス、露をふらせ」と叫んで走ったり、青いマグネシヤの花火を燃やしたりして遊ぶ子どもたちの姿。ジョバンニは時計屋にあった星座早見や星座の大きな図に見入ってしまうが、牛乳のことを思い出し町はずれの牛乳屋へ急ぐ。しかし牛乳屋には老女しかおらず、あとでもう一度来るように言われる。再び街に戻ってくる途中、星祭りで川に流す烏瓜の燈火を手にした6、7人のクラスメイトたちと出会う。彼らは「らっこの上着が来るよ」とジョバンニに向かって叫ぶ。いたたまれなくなったジョバンニは丘の方へと走る。

5. 天気輪の柱
天気輪の柱の立つ丘にやってきたジョバンニは、丘の草の上に寝転がる。町の方から星祭りの子どもたちの声や、汽車の音が聞こえてくる。目を空に向けると、天の川が見えている。ジョバンニにはそれが午后の授業で先生が言ったような「がらんとした冷たいところ」だとは思えず、小さな林や牧場や野原のように考えられて仕方がない。また眼下の町の灯りまでがたくさんの星の集まりのように思えてくる。

[試聴]
[出版]
[録音]

[備考]



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