歌曲集「異途への出発」
[編成] バリトン・ピアノ(Baritone and Piano)
[演奏時間] 40分
[作曲年] 1997.2
[初演] 1998.11.17 ルーテル市ヶ谷センター
   第22回持田篤バリトン独唱会
   持田篤(Br.)大場俊一(Piano)
[委嘱・献呈] 持田篤

歌曲集「異途への出発」
Lieders “Ito-eno Syuppatsu”

1. 昏い秋
2. ローマンス(断片)
3. 馬
4. 未来圏からの影
5. 暮れ近い 吹雪の底の店さきに
6. 異途への出発
7. 東の雲ははやくも蜜のいろに燃え

この曲集に含まれている宮沢賢治の詩はすべて、通例「春と修羅 第2集」と呼ばれている詩群からのものである。こののち、彼は農業学校の教師を辞し、羅須地人協会を設立して実践的な農業活動へと向かうのだが、その直前の彼の心境として象徴的な「異途への出発」を全体のタイトルとした。

この曲集は、第1曲の「昏い秋」からはじまり、第4、5、6曲と厳しい冬を越え、「まだらの雪」の残る浅い春へと向かう流れになっている。

第7曲の詩の中で、賢治が何度も呼びかけている「あなた」は、「一つのかんばしい意志」そのものである“月”のことだ(ピアノパートに引用されたC.Debussyの「月の光」の一節がそれを暗示する)。「東の雲ははやくも密のいろに燃え」(つまり朝が近い)、「あなた(=月)はいまにはかにくらくなられ」たのち、ラストは新しい太陽が昇るという締めくくりになっている。

[試聴]
[出版] RaKuDa PUBLISHING Plus+
[録音]

[備考]



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