作曲家・壺井一歩
Composer / Ippo Tsuboi
2020年6月 < 2020年7月 > 2020年8月

Diary / 埼玉日記

2020年7月

4日

いわゆる「芸大和声」について何ごとか論じるのはめんどくさいのだが、実用的な観点からちょっとだけ言うならば
「作編曲を目指す人はやっておいた方がよいと思うよ、労多いけど」というところである

和声の勉強方法は四声体をたくさん実施することだけど、それで何を得るかっていうと、第一には声部操作力であると思っている
たくさんの禁則も、特定の時代に限定したレギュレーションも、声部操作力を鍛えるためには最適かつ効果的なハードルであるのだ

だから逆に、作編曲をしない人が「分析できるようになるためのテキスト」として用いるのはオススメしていない
レッスンでも、そういう向きにはほとんどの場合、別の提案をしている
もちろん、興味があってヒマな人はやってみたらいいけどね

ところで、原博「和声実習110課題集(全音楽譜出版社)」という本があるのだが、この本、課題集なのに名言の宝庫なんである
比較的言ってることは保守的なんだけど、最後にこうある
「与えられた教義に盲従しないこと。その拡大解釈もしないこと。鍵は自らの耳を用いること以外にない。」

大事なのは耳なんですよ
8日

新しくやってきた緑のソファが気に入った


どのくらい気に入ったかと言うと

このくらい
15日

「新作ピアノ曲集のオンライン初演プロジェクト」を勝手に始めて1月半、「12の前奏曲 第2集」が完成した
第1集のほうは2001年の作曲なので、ざっくり言って20年越しの「続き」を作曲したことになる

さすがに20年も経ったので、作曲は上手くなったな、と自分で思った
だが、自分で上手く制御できないものを抱え続けておくことの難しさ、みたいなことも感じてしまった
技術は絶対に必要だが、器用になってしまってはいけない

プロジェクト自体は、参加いただいているピアニストのみなさんどんどんいい演奏アップしてくれるし、今回は委嘱者も募ったし、曲を書き終えた作曲者としては楽しみしかない
いつまで続くかわからない、疫病流行による強制的な夏休みの序章の、ちょっとしたお祭りである
18日

ピアノの先生向けの雑誌「ムジカノーヴァ」に、6月号から「誰でもできる作曲入門」を連載してますけども、8月号にはドビュッシー「アラベスク第1番」のアナリーゼ原稿も載りました
31日

芋焼酎のロック、
振るとカナカナカナカナカナ、
言いよる

庭向こうの雑木林からも、
ヒグラシの鳴く、
夕暮れ
2020年6月 < 2020年7月 > 2020年8月

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