10日
ヴァロール・クインテット&ピーノ・ボッツォロ ジョイントコンサート
大下真由さんと井口祐一さんのマンドリュート・デュオで「空想ヂオグラフイ」初演
望月豪さんと、ソネット・プロジェクトを始めて7年。室内楽からマンドリンオーケストラまで、さまざまな編成で6つの作品をこのシリーズに作曲しました。ありがたいことに、それらはすでに多くの演奏者や団体によって演奏されつつあり、「マンドリンのための新しいレパートリーを作る」というこのプロジェクトの目標はある程度達成したのではないか、と私は思い始めていました。もう結構登ってきたぞ、と。……この演奏会を企画するまでは。
まず、ここまで一緒に登ってきてくれた望月さんに、私は一番の感謝を送りたいと思います。それから、公募で集まってくれたたくさんのメンバーと、ゲストプレーヤーのみなさんに。みなさんの熱意がなければ今日の演奏会はありえなかった。望月さんと二人で始めたこのプロジェクトは、もはや二人のものではないと言うべきでしょう。そして、今日ここにお集まりのみなさまとともに、ソネット・プロジェクトは第2ステージに入ります。
……もう結構登ってきた、と思っていたのに、ふと仰ぎ見たら、まだまだ巨大な山脈の突端に取り付いたばかりのところだった……そんな気分です。いつかたどりつく山頂からの景色は、どんなだろう。
私は、夢を見たいと思います。
壺井一歩