2011年4月29日 巡りの旅 壺井一歩ピアノ作品集 もう一度聴く!! アルモニク特別企画
Harmonique meets Ippo Tsuboi

巡りの旅 壺井一歩 ピアノ曲集

2011.4.29(於:サロン・テッセラ)


壺井さんは現代のシューベルト、という風に思えました。──高橋アキ


ピアニストグループ「アルモニク」の有志の方々が壺井のピアノソロ作品のみによる演奏会を企画してくださり、去る2011年4月29日、サロン・テッセラ(東京)に於いて開催された「巡りの旅 壺井一歩 ピアノ曲集」は満員の大盛況のうちに終演いたしました。アルモニクの皆さんによる素晴らしい演奏をより多くの方々にお聴きいただきたく、会場の熱気をそのままに、そのライブ録音を全曲・ノーカットでここに公開させていただきます。また、いくつかの作品については[2011.8.1修正]この演奏会で取り上げられたすべての作品の楽譜の販売サイトへのリンクもご用意いたしました。楽譜のご購入を検討いただければ幸いです。



☆それぞれの曲の演奏時間表示をクリックすると演奏が聴けます。
*Please click playing time!


青色の表情(1994)ピアノ演奏:平島牧子

1. 青色の表情 ─── 3:50
2. 無時代の港にて聞く歌 ─── 1:53
3. 埴輪 ─── 2:45
4. 雨 ─── 1:53
5. どこへ? ─── 3:01

5曲からなる組曲。高校3年の終了の頃に第1曲「青色の表情」を作曲し、第5曲「どこへ?」は大学入学後5月頃に作曲している。当時興味のあったさまざまなピアノ音楽からの影響が認められると思う。ドビュッシー、モンポウ、それからチック・コリア。客観的に見れば調性のある音楽であるにもかかわらず調号を使わない記譜を用いている。現在公表している作品のなかで最も若い作品であり、この作品を書いて自分のやりたい音楽を自分で理解した初めての作品だった。
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巡りのための拾遺 第1集(1995)[全6曲] ─── 8:50 初演 ピアノ演奏:廣澤真緒実
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巡りのための拾遺 第4集(1998)[全5曲] ─── 9:58 初演 ピアノ演奏:廣澤真緒実
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巡りのための拾遺 第5集(2000)[全4曲] ─── 11:48 初演 ピアノ演奏:増山歌子
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ピアノ小品の連作集。第1集の作曲が大学1年、第5集が研究生として大学に在籍(居残り)していた頃の作品で私の学生時代をほぼ横断している作品群ということになる。ここにも当時の自分が興味のあった音楽の影響はさまざまに見て取れるが、ひとつはっきりと指摘できるのは、調性的なパレットの中から「短9度」を偏愛的に(そして意図的に)用いていることだろう。これは現在の自分の音楽にダイレクトに繋がる語り口ではないかと思う。



12の前奏曲(2001/2010) ピアノ演奏:仲條ひかる(No.1-6, 12)/小野寺美和(No.7-11)

No.1 ─── 4:18
No.2 ─── 2:08
No.3 ─── 2:23
No.4 ─── 1:37
No.5 ─── 3:25
No.6 ─── 1:51
No.7 ─── 1:55
No.8 ─── 3:45
No.9 ─── 1:09
No.10 ─── 3:17
No.11 ─── 1:35
No.12 ─── 2:56

「ピアノを使って」「猛烈なスピードで」作曲することを自分に課して取り組んだ作品で、日付を見ると平均3日に1曲くらいのペースで書いている。(形だけのものも含め)24の調性で24曲書こうとしたことは明白なのだが、11曲書いたところで放置されていた。今回の演奏会で取り上げていただけるということになり、11曲では切りが悪い(音楽的にも11曲目は「終わりの曲」ではなかった)ので昨年暮れに12曲目を追加作曲してひとつのピアノ作品集とした。
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詩人の幻想航路(2009) ─── 4:37 ピアノ演奏:藤澤弥生

「12の前奏曲」(の11曲目まで)ののちピアノソロのための作品には10年近い空白があった。この作品も2007年発表のピアノコンチェルト「幻想航路」の第2楽章をピアノソロ用に改編したものであり、厳密にはピアノソロ用に作曲された作品ではない。実際、オーケストラ部分をピアノ用に置き換えたためにピアノ演奏上の「スムーズさ」を持っていない部分もある。原曲の2楽章は、「過去」に想いをはせ、独白する登場人物「詩人」のリリカルな楽章。
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天空率(2011) ─── 5:13 委嘱作品 初演 ピアノ演奏:増山歌子

今回の演奏会のための委嘱新作。2004年頃から意識的に自分の作曲法のひとつとして使っている「串刺し和音」を全面的かつ拡張して用いている。6つの「11の和音」が常にC音に「串刺」された状態で変奏が展開していく。「天空率」とは建築用語で「天空の占める立体角投射率のこと」(そこから空がどれだけ見えるか)ということらしいが、そのロマンあふれる語感に惹かれてタイトルにした。「串刺し和音」システムから音楽の空がどんなふうに見えるか、その形、色合いはどんなふうに変化するのか、自分なりの総括のつもりで作曲した。
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[アンコール]

南部牛追い唄:連弾(編曲)(2010) ─── 3:06 ピアノ演奏:仲條ひかる・小野寺美和
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ひとひらのメランコリー:連弾(2005) ─── 1:49 ピアノ演奏:増山歌子・壺井一歩
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演奏:

■平島牧子

桐朋学園大学ピアノ科卒業。故井口基成、高柳朗子、牧幸子の各氏に師事。1979年モーツァルトアーベントに出演。1980年ストラヴィンスキー『春の祭典』『ペトルーシュカ』を東京交響楽団打楽器と共演。1991年「現代の音楽展」に出演。1992年VMMレーベルCD録音のためウィーンに渡る。1993年ポーランドにて国立コシャーリン交響楽団と共演と同時に演奏会開催。各国の現代作曲作品を演奏、室内楽等多方面にて活躍中。

■廣澤真緒実

桐朋女子高等学校音楽科を経て、同学園大学音楽学部演奏学科ピアノ専攻卒業。大学卒業演奏会に出演。同大学研究科修了。日本シマノフスキ協会主催フレッシュコンサートに出演。これまでに藤澤弥生、岡本美智子、F.W.シュヌアの各氏に師事。現在、後進の指導を行うと共にソロ、室内楽等の演奏活動を行っている。

■増山歌子

桐朋学園大学を卒業後、母校の講師を務める。ミュンヘン国立音楽大学留学。洗足学園大学マスターコース修了。第16回学生音楽コンクール全国第1位受賞。1974年デビューリサイタル、以後リサイタル3回、東京交響楽団と共演の他、歌曲、合唱の伴奏、特に邦人作品の演奏を数多く行っている。大島正泰、小林仁、ローズル・シュミット、マックス・エッガー諸氏に師事。現在洗足学園大学講師。木下記念スタジオ主宰。

■仲條ひかる

桐朋学園大学卒業。1989年デビューリサイタルを行う。1990年渡仏。パリ、エコールノルマル音楽院、コンセルバトワールヨーロピアンにて、ソロ、室内楽の研鑽を積む。コンサートディプロマにて優秀賞受賞。国際平和促進財団、江東区音楽家協会主催リサイタル、世田谷美術館プロムナードコンサート等、多数のコンサートに出演。三宅洋一郎、山田雄子、神谷郁代、北川正、ジュルメーヌ・ムニエ、セルジュ・ブランの各氏に師事。

■小野寺美和

東京を拠点とし、ヨーロッパ、北アメリカ、日本において演奏活動を行っている。幼少の頃より佐々木佐和子に師事。桐朋女子高等学校音楽科、桐朋学園音楽大学にて有賀和子、山根美代子ゴールドベルグ、各氏に師事。その後NYマネス音楽院大学院へ全額スカラーシップを得て留学、ジュリアード音楽院マーティン・ケニン氏、ザルツブルグ音楽祭ではセルゲイ・ドレンスキーに師事。

■藤澤弥生

三重県津市出身、桐朋学園音楽科第1期生。井口基成、井口秋子、L.コハンスキーの各氏に師事。第26回日本音楽コンクール入選。卒業後は、桐朋学園、および附属音楽教室で教え、リサイタル、伴奏活動など。1974年同学園退職。1983年 - 1999年尚美学園短期大学講師。近年はデットモルトF.W.シュヌア教授のもとで研鑽を積む。リサイタルでは、邦人作品を積極的にプログラムに取り入れている。






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